LINE公式アカウントのステップ配信とは?機能や設定方法を解説

LINE公式アカウントのステップ配信とは?機能や設定方法を解説

効果的な情報発信や集客に役立つ、LINE公式アカウントの「ステップ配信機能」。

「使ってみたいけれど、何が便利なの?」「使い方が難しそうで、導入できるか心配」という方も多いのではないでしょうか。

今回は、LINE公式アカウントのステップ配信の特徴や設定方法、運用のコツを解説します。

ステップ配信の導入を考えている方はもちろん、より効果的な運用方法を探している方にも役立つ情報ばかりです。ぜひ最後までご覧ください。

LINE公式アカウントのステップ配信とは

LINE公式アカウントのステップ配信は、顧客の購買意欲を高めるメッセージの配信方法です。

事前に設定した内容とタイミングで、メッセージや割引クーポン、アンケートなどを段階的(ステップ)に自動配信できます。

ユーザーのアクションを起点とし、経過日数や顧客の属性に合ったメッセージを段階的に配信します。

例えば、顧客がLINEの友だち登録をしてくれた場合で考えてみましょう。まずは登録直後にお礼メッセージを配信します。その後、3日後には商品の最新情報、7日後にはクーポンというように段階的にメッセージを配信します。

通常の場合、メッセージをその都度配信する必要がありますが、ステップ配信ならはじめに設定してしまえばあとはおまかせ。自動的に効果的なメッセージを配信してくれ、運用が簡単です。

顧客の購買意欲を高めるには、一度の内容が詰まったメッセージよりも、段階的にメッセージが届くほうが効果が高いされています。メールよりも開封率が高いLINEなら、より効果的に訴求することが可能です。

なお、2021年9月現在、LINE公式アカウントでステップ配信を行う方法は、

  • LINE公式アカウント内の機能を使用する方法
  • 外部サービスを使用する方法

の2通りがあります。詳細はこの後の「ステップ配信を導入する方法」で紹介していますのでご確認ください。

通常メッセージ配信との違い

通常メッセージの自動一斉配信との違いは、複数の段階的なメッセージを一括で設定できるかどうかです。

一斉配信では、同じ内容のメッセージを同じタイミングにしか送ることができません。例えば、友だち登録をしてから1日後、7日後、14日後にメッセージを送りたい場合は、計3通のメッセージを設定・配信する必要があります。

一方ステップ配信では、複数のメッセージを指定した時間・順番に配信できます。1日後、7日後、14日後にメッセージを送りたい場合、それぞれのメッセージ内容・配信タイミングを一括で指定できます。

一斉配信よりも少ない手間で、効果的な情報発信が可能です。

ステップ配信のメリット

続いて、なぜステップ配信が効果的なのか、メリットを確認していきましょう。

見込み客の獲得ができる

段階的なメッセージ配信が可能なステップ配信では、見込み客の獲得が可能です。

LINE公式アカウントを何となく友だち登録した相手でも、ステップ配信を使用して段階的にアプローチすることで、購買意欲を高め、顧客の来店やサービス利用につなげられます。

商品・サービスの魅力やお得なクーポンなど、メッセージを複数回にわたって送信することで、自社に興味を持ってもらえるきっかけが生まれます。

メッセージ配信の負担を減らせる

一斉配信とステップ配信の違いでも触れましたが、ステップ配信では複数メッセージの内容・タイミングを一括で設定できます。

通常の一斉配信よりも少ない負担で、効果的なメッセージ配信できるのが特徴です。

メッセージ配信による集客効果を高めたいけれど、あまりメッセージ配信に時間を割けない方は、特にステップ配信機能の活用がおすすめです。

リピーター獲得・顧客離れ防止

ステップ配信なら、新規顧客の獲得はもちろん、リピーターの獲得や顧客離れの防止にも効果的です。定期的なメッセージやクーポンの配信は、顧客の再来店・再購入を促す大きなきっかけになります。

さらに顧客の属性を絞ったセグメント配信と組み合わせることで、その効果はよりアップします。しばらく来店がない顧客層に「再来店限定クーポン」を発行する、商品購入から30日にサービスや商品のアンケートを発行するなど活用法は無限大です。

ステップ配信による定期的なフォローが、リピーターの獲得や顧客離れの防止につながります。

ステップ配信の活用事例

次に、自動応答の効果的な活用方法を紹介していきます。LINE公式アカウントのステップ配信の活用により、店舗の売り上げアップや課題解決を達成した例です。

事例1:ヘアークリニック髪風船

縮毛矯正の専門サロンとしてサービスを提供する、「ヘアークリニック髪風船」。2013年にはホームヘアケア商品を扱うECサイトを立ち上げ、2015年にはLINE公式アカウントの運用を始めました。

「オンラインコミュニケーションを通じた、お客さまの教育」を意識した同店では、LINE公式アカウントのステップ配信機能を利用し、顧客を育成しました。

【施策】

  • 友だち追加後の1カ月間で、ヘアケア方法の解説など、8通のメッセージを配信
  • ECサイトで利用できるクーポンを添付

【効果】

  • EC売上が店舗売上を上回り、総売上の7割を占めた(LINE公式アカウントの一連の運用を含む)

顧客の育成や信頼関係を意識し、継続的な情報発信により、売り上げが大幅にアップした例です。

参照:LINEからの送客で総売上に占めるEC売上が7割に成長! 縮毛矯正サロンのデジタルマーケティングと顧客育成|LINE for Business

事例2:大手学習塾

全国展開している大手学習塾では、ステップ配信をアルバイト採用に活用しています。

同学習塾では、アルバイト希望者に対して、Webサイトでの仮登録および研修先での本登録を求めていましいた。しかし、アルバイト希望者の研修日時の失念が相次いただめ、応募者はいるのに講師を確保できないという課題を抱えていました。

そこで、ステップ配信を用いた次のような施策を実行します。

【施策】

  • 求人LPで応募者にLINE公式アカウントを友だち追加してもらう
  • 仮登録情報と友だち追加済みユーザーのLINEアカウントを連携し、研修日時・場所のリマインドをステップ配信機能で配信

【効果】

  • 本登録がスムーズに進み、講師数が大幅に増加

複数回のメール配信を自動化できる、ステップ配信をリマインダーとして活用し、課題を解決した例です。

参照:国内メーカーのDX推進に寄与するLINEのサービス活用と可能性|LINE for Business

ステップ配信を導入する方法

LINE公式アカウントでステップ配信を導入する場合、内部に含まれる機能と外部ツールのいずれかを利用します。それぞれの特徴をまとめました。

LINE公式アカウント内のステップ配信機能

LINE公式アカウント内のステップ配信機能は、基本機能に含まれるため、外部ツールを利用するよりも簡単に導入できます。追加料金なしで利用できるのもポイントです。

一方で、配信開始の条件が「友だち追加」のみに限定されている、送信メッセージ数によっては追加料金が発生するなどのデメリットもあります。

まずは試験的に導入してみたい、あるいはなるべく設定に手間をかけずに利用したいという方は、ツールを導入する前に基本機能から始めましょう。

外部ツール「Messaging API」

ステップ配信を導入できる外部ツールに、「Messaging API」があります。

Messaging APIとは、LINEアカウントを通じてユーザーとコミュニケーションをとれるAPI(Application Programming Interfaceの略)です。LINE株式会社が公開しているツールで、ユーザーに合った情報提供ができるボットを作成できます。

Messaging APIを使用したステップ配信では、「友だち追加」以外のアクションも、ステップ配信の開始条件として設定できるます。

メッセージの配信開始条件が「友だち追加」だけでは足りない方におすすめのツールです。

この他、LINEのAPIでできることは別記事で詳しく解説します。

ツールを使わずにステップ配信を設定する方法

ここからは、LINE公式アカウントのステップ配信機能を使ったステップ配信の設定方法を紹介します。

シナリオを考える

LINE公式アカウントの管理画面を操作する前に、まずはステップ配信のシナリオを考えます。

ステップ配信では、

  • ユーザーの属性
  • ユーザーがどのような経路で友だち追加をしたか
  • 友だち追加してから何日が経ったか

など、ステップ配信ではユーザーの属性・条件ごとのメッセージ配信が可能です。

  • どんなユーザーに
  • どのタイミングで
  • どんな内容のメッセージを配信するのか

を事前に考えておくと、実際に管理画面を操作する際にスムーズです。

管理画面にログイン

ここからは、実際にLINE公式アカウントの管理画面を操作します。

ログイン後、左メニューの「ステップ配信」に進むと、ステップ配信の管理画面に移ります。ここで、ステップ配信用メッセージを新規作成や、作成済みメッセージの編集や確認を行います。

ステップ配信設定トップ
出典:LINE Official Account Manager

ステップ配信を新たに設定する場合は、右上の「作成」ボタンを選択してください。次の画面に移り、メッセージの内容やスケジュール、条件等を設定できるようになります。

ステップ配信新規作成
出典:LINE Official Account Manager

基本設定

まずは、基本設定を入力します。

  • タイトル(管理用)
  • タイムゾーン
  • 有効期間(任意)
  • 配信数の上限(任意)

配信数の上限は、LINE公式アカウントのフリープランの範囲で利用したい場合は、「1000」と入力しておきましょう。有料プランの場合、入力をしておかないと、配信数によっては課金される可能性があります。

LINE公式アカウントの費用については、「LINE公式アカウントにかかる料金・費用がひと目でわかる」で詳しく紹介しています。
ステップ配信基本情報
出典:LINE Official Account Manager

開始条件を編集

ここからは、ステップ配信の一連の流れを作成していきます。「メッセージを設定」欄では、左側にステップ配信の開始から終了までの流れを示す図(以下、ルート)が表示されます。

まずは開始条件を編集します。LINE公式アカウントのステップ配信機能では、開始条件は「友だち追加」のみですが、友だち追加の日付や経路は選ぶことができます。

ルート上の「開始条件 友だち追加」を選択してください。右側に開始条件を編集できるボックスが表示されますので、以下の項目を入力します。

  • 追加日
  • 追加経路

ステップ配信開始条件
出典:LINE Official Account Manager

入力が完了したら、「保存」ボタンを選択すれば開始条件の編集は完了です。

メッセージを追加

次に、ユーザーに送信するメッセージ内容を追加します。

まずは、ルート上で「ステップを追加」>「メッセージを配信」を選択してください。
ステップ配信メッセージ追加
出典:LINE Official Account Manager

次に、ルート上の「メッセージ配信 メッセージ」を選択します。右側に「メッセージを編集」欄が表示されますので、送信メッセージに関する以下の項目を入力します。

  • メッセージラベル(ルート上に表示される、メッセージの名称)
  • 配信時間帯
  • メッセージ内容(画像や動画、クーポンなども可能)

ステップ配信メッセージ追加
出典:LINE Official Account Manager

入力内容を確認し、「保存」ボタンを押せば完了です。

待ち時間を設定

続いて、メッセージの待ち時間を設定します。待ち時間とは、開始もしくはメッセージ配信後から次のメッセージ配信までの時間を指します。

ルート上の「〇日後」を選択すると、右側に「待ち時間を編集」欄が表示されます。待ち時間は1〜30日の範囲で、1日単位で調整できます。前回のアクションから何日後に次のアクションを起こすのか、希望の日数を入力します。

ステップ配信待ち時間
出典:LINE Official Account Manager

入力内容を確認し、「保存」ボタンを押せば完了です。

条件分岐を追加

続いて、条件分岐を追加します。LINE公式アカウントのステップ配信機能ではユーザーの属性に合わせた配信が可能です。どの属性のユーザーにメッセージを配信するのかは、この条件分岐によって設定します。

まずは、ルート上で「ステップを追加」>「条件分岐を追加」を選択してください。

ステップ配信条件分岐
出典:LINE Official Account Manager

次に、ルート上のダイヤのマークを選択します。右側に「条件を編集」欄が表示されますので、条件ラベルと条件を入力しましょう。

LINE公式アカウントのステップ配信では、下記の条件設定が可能です。条件を設定する場合は、「条件を追加」から条件を選択します。

  • 性別
  • 年齢
  • OS
  • エリア

なお、Messaging APIなら「自社のサービスを高頻度で利用してくれる顧客」など、もっと細かい指定が可能です。

ステップ配信条件入力
出典:LINE Official Account Manager

入力内容を確認し、「保存」ボタンを押せば完了です。

保存・利用開始

ステップ配信の内容を設定したら、利用を開始します。

ステップ配信管理画面の上部に表示されているボタンのいずれかを選択してください。

  • 利用開始:ステップ配信を開始
  • 保存:下書きに保存
  • アーカイブ:アーカイブに残す(一回目保存以降に表示される)

ステップ配信保存
出典:LINE Official Account Manager

ステップ配信の運用のコツ

続いて、ステップ配信の運用のコツを見ていきましょう。これから導入を考える方はもちろん、導入したもののイマイチ効果が感じられない方もぜひ参考にしてください。

ユーザーに合った配信をする

ステップ配信の効果を高めるには、ユーザーの属性・ニーズに合った内容のメッセージの配信を意識しましょう。

それには、LINE公式アカウントに送られてくる顧客からの問い合わせメッセージを分析し、ニーズを把握します。ステップ配信には条件分岐機能が搭載されていますので、顧客の属性ごとに分析したニーズを、メッセージに反映させます。

個々のユーザーに刺さるメッセージ配信を意識することで、ステップ配信の効果がぐっとアップします。

訴求点は繰り返し配信する

こちらが送信したメッセージを、顧客がすべて確認しているとは限りません。ときにはメッセージを流し見される、あるいは見逃される可能性があります。

特に伝えたい情報やお得なキャンペーンなど、特に顧客に見てほしいと思うメッセージは、繰り返し配信すると効果的です。
一度見逃されてしまったとしても複数回送ることで、気に留めてもらえる可能性がアップします。ただし、しつこくならないよう連続ではなく、一定期間を置いて配信するよう注意してください。

配信の時間帯に気を付ける

配信の際は、顧客に読んでもらえる時間帯を考慮することも必要です。

メッセージの開封率は、朝9時頃(通勤時間)、お昼12時頃(昼休み)、夕方18時頃(退勤時間)が高いと言われています。一方、競合他社との配信タイミングが重なればメッセージが埋もれる可能性もあります。

そこで、

  • 時間帯を12時ではなく12時10分など少しずらして配信する
  • 配信時間帯を顧客の属性に合わせる
  • 問い合わせメッセージの受信時間などから、適した配信時間帯を分析する

などの対策を取るのも効果的です。配信の時間帯に気を付けることで、開封率を上げて配信メッセージの開封率を高めましょう。

LINE公式アカウントステップ配信の注意点

LINE公式アカウントでは、意図せず課金対象となったり、顧客へのステップ配信が停止となったりするケースがあります。せっかくの労力が無駄にならないよう、それぞれの注意点を事前に把握しておきましょう。

ステップ配信のメッセージは課金対象

LINE公式アカウントでは、プランによって配信メッセージの上限が決まっています。ステップ配信のメッセージも、配信メッセージ数に含まれるため、通常のメッセージと同様にカウントされます。

配信数が契約しているプランの上限を上回ると、ステップ配信が停止されます。配信を再開する場合は、プランのアップグレードが必要です。

LINE公式アカウントのプランごとの料金は別記事で詳しく解説します。

アカウントのブロック

顧客がLINE公式アカウントをブロックした場合、該当顧客へのステップ配信は停止されます。

顧客がブロックを解除した場合は、その時点で新規追加とみなされ、ステップ配信が始まります。途中から配信が再開されるのではなく、ブロック解除は新規の友だち追加とみなされるのが特徴です。

LINE公式アカウントのステップ配信まとめ

以上、LINE公式アカウントのステップ配信の特徴や設定方法、運用のコツを解説しました。

LINE公式アカウントのステップ配信は、段階的な情報発信が一括で設定できる大変便利な機能です。

メッセージ配信のコストを減らしたい方や、より効果的な情報発信をしたい方にぴったりな機能ですので、ぜひ導入を検討してみてください。

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