LINE公式アカウントについて調べていると、「リッチメニュー 」をよく目にしませんか。
リッチメニューは、LINE公式アカウントのトーク画面下部にメニューを表示させる機能です。リッチメニューをうまく活用することで、サービスの利用や公式HPへの誘導などができ、集客の効果を高めるといわれています
今回は、リッチメニューについて詳しく解説します。「どんな効果があるの?」「費用はいくらかかる?」などの疑問も解決できるよう、リッチメニューの作り方や設定方法、活用するときの注意点なども合わせて紹介します。
LINE公式アカウントのリッチメニューとは
LINE公式アカウントのリッチメニューは、どのような機能なのでしょうか。ここではリッチメニューの詳細を解説します。
LINE公式アカウントの無料機能
リッチメニューは、LINE公式アカウントの基本機能の一つで、無料で利用できます。
トーク画面の下部にメニューを設置し、「問い合わせ」や「サイトに移動」などの「タイル」と呼ばれる画像をレイアウトします。パソコンでいう、“ショートカット”をイメージするとわかりやすいかもしれません。
好みの画像を選ぶことができるため、デザイン性の高い画像を設置すれば企業や店舗のブランディング効果にも直結します。
高クリック率が狙える仕掛け
リッチメニューは、トーク画面の下部に固定されます。常にトーク画面に表示されるため、ユーザーの目に留まりやすいというメリットがあります。
また、視覚で情報を伝えられることも大きな特徴です。ユーザーがタップしたくなるような画像のデザイン・文字を考えてメニューを設置することで、高いクリック率を狙えます。
リッチメッセージとの違い
LINE公式アカウントの基本機能「リッチメッセージ」とは、画像や動画とテキストを組み合わせて、1つの吹き出しとしてメッセージを配信する機能です。
リッチメニューと名前は似ていますが、メッセージとメニューはまったく異なるものです。
ただし、テキストだけではなく、画像を使って、ユーザーに視覚的に訴えるという点は似ていますね。
LINE公式アカウントのリッチメニューでできること
では、LINE公式アカウントのリッチメニューでは具体的にどんなことができるのでしょうか。特徴的な2つの例を紹介します。
Webページへの誘導
リッチメニューには、Webページへのリンクを設置することができます。
ユーザーがいちいち検索する手間が省けるだけでなく、Webページに誘導できれば、アクセスの増加が見込め、サービスを利用してもらう機会につなげられます。
ちなみにリッチメニューには、ほかに「電話番号」「会員証」など、顧客の使いやすさを意識したカスタマイズが可能です。
商品購入や問い合わせ件数の増加
Webページへの誘導だけでなく、商品の購入や問い合わせ件数の増加も狙えます。
商品の購入につなげるには、商品の画像とともに「購入はこちらから」とテキストを添え、1タップで商品ページに誘導できるよう設定しましょう。
特におすすめしたい商品がある場合は、リッチメニューに表示させてタップを促すと効果的です。
リッチメニューの導入事例
すでに多くの企業が活用しているリッチメニュー。ここではリッチメニューの導入事例を3つ紹介します。どんな活用がなされているかチェックしていきましょう。
JINS
全国に440店以上を展開するメガネのJINSでは、LINE公式アカウントのリッチメニューで、待ち時間の確認や店舗の検索などを提供しています。
特徴的なのが、リッチメニューからアクセスできる「度数確認機能」。ついつい忘れがちな度数をいつでも簡単に確認できるよう、前回買った商品の情報をリッチメニューに加えています。
「LINEでもっと、JINSを便利に」を合言葉に、ユーザー視点に立ったさまざまな機能をリッチメニューに設けています。
参照:LINEでもっと、JINSを便利に|JINS
オルビス
化粧品や健康食品などを販売するオルビスのリッチメニューには、「オルビス初めての方」と「ご愛用いただいている方」の2つのパターンが用意されています。
「オルビス初めての方」のリッチメニューでは、初回限定のトライアルセットの商品を紹介。一方、「ご愛用いただいている方」のリッチメニューでは、定額お届けプログラムなどの詳細が確認できます。
ユーザーの利用度合いに応じたリッチメニューを複数用意し、ニーズに応えながら購買率をアップさせる工夫がなされています。
参照:ORBIS
無印良品
生活用品からファッション、家電、食品まで幅広く手がける無印良品も、リッチメニューを活用している企業です。
リッチメニューにある「週刊 MUJI」では、おすすめの商品を1週間ごとに更新。「季節に応じたおすすめ商品を知りたい」というユーザーのニーズを先読みして、販促につなげています。
また、リッチメニューから「MUJI passport」と呼ばれる会員証を表示できるため、ユーザーはLINEを開くだけで、ぱっと会員証を提示できます。
参照:LINE公式アカウントの新規登録方法|無印良品
リッチメニューの作り方
リッチメニューは、基本的に2つのステップで作成できます。ここでは、LINE公式アカウントのメニューを見ながら、リッチメニューの作り方を紹介します。
ステップ1:表示設定
出典:LINE Official Account Manager
リッチメニューを作るときは、まず「表示設定」の設定から始めます。表示設定では次の項目を設定します。
・タイトル
タイトルはリッチメニューの管理者が確認する部分であり、ユーザーに表示されることはありません。わかりやすいタイトルの入力がおすすめです。
・表示期間
リッチメニューの表示期間を設定できます。
・メニューバーのテキスト
メニューバーは、リッチメニューを表示したり隠したりするときにタップする部分のことです。「その他のテキスト」部分で「最新情報はこちら」のように入力すると、入力した文字が設定されます。
・メニューのデフォルト表示
ユーザーがトーク画面を開いたときに、リッチメニューが自動で現れるかどうかの設定です。
参照:【公式】リッチメニューの活用法│作成から設定方法まで解説|LINE for Business
ステップ2:コンテンツ設定
出典:LINE Official Account Manager
次に、リッチメニューの「コンテンツ設定」を行います。コンテンツ設定では次の項目を設定します。
・テンプレートの選択
表示する画像のタイル数や、タイルサイズの大小などが設定できます。表示したい項目の数に合わせて設定しましょう。
・背景画像のアップロード
リッチメニューに表示される背景画像をアップロードします。選択するテンプレートのサイズに合う画像を作りましょう。
アップロードできる画像サイズは次のとおりです。
テンプレート大 | テンプレート小 |
2,500px × 1,686px | 2,500px × 843px |
1,200px × 810px | 1,200px × 405px |
800px × 540px | 800px × 270px |
・アクション設定
ユーザーがリッチメニューをタップしたあと、どのような動作に移るのか設定できます。「リンク」ではWebサイトのURLを設定でき、「クーポン」では事前に設定したクーポンの表示が可能です。
参照:【公式】リッチメニューの活用法│作成から設定方法まで解説|LINE for Business
外部サービスを使う方法
リッチメニューの作成は難しい部分もあるため、PCやスマホでの設定作業に苦手意識がある人は、外部サービスを使うのがおすすめです。
例えば、LINE株式会社が運営するLinyでは作成代行サービスを提供しています。ほかにも、on株式会社では、ミニアプリの開発と合わせて、リッチメニューの作成を依頼することも可能です。
それぞれの外部サービスによって特徴や対応している内容が異なるため、利用する前にはしっかりと比較することをおすすめします。
リッチメニューの効果的な設定方法
リッチメニューを設定するときは、効果を高めるためのコツがあります。ここではリッチメニューの効果的な設定方法を紹介します。
リッチメニューの出し分け機能を活用
リッチメニューには、設定した期間ごとにメニューのデザインを変更できる「出し分け機能」があります。
例えば、キャンペーンを実施する期間は、キャンペーン情報を含めた特別仕様のリッチメニューに入れ替えられます。前もって期間を設定しておけば、キャンペーン中のみ特別仕様を表示できます。
普段リッチメニューを使わない人でも、いつもとデザインが変わるだけで「なんだろう」と興味を持つきっかけになります。さらにキャンペーンページへ誘導できれば、売り上げアップにもつながります。
ボタン風の画像を設置する
リッチメニューのタップ率を上げる方法として、ボタン風の画像の活用があります。
普通の画像を設置するだけでは、ユーザーがリッチメニューをタップする可能性は高まりません。しかし、ボタンのような画像を設置していれば、「とりあえず押してみよう」と考えるユーザーが増えることが期待できます。
一人でも多くのユーザーにタップしてもらえるよう、デザインはボタン風を意識しましょう。
クーポンへ誘導する
購買率をアップさせるために、クーポンを設置することも効果的です。
クーポンは、ユーザーにとってのメリットだけでなく、企業や店舗にとってもリピーターや新規客の獲得に活用できます。
例えば、ボタン風の画像を「クーポンをゲットする」としておけば、ユーザーはメリットを感じてタップするでしょう。
リッチメニューの効果を最大限高めるには、ぜひクーポンを活用してみてください。
リッチメニュー活用時のポイント
リッチメニューの効果を高めたいのなら、活用時の効果を高める方法をあらかじめ知っておきましょう。ここではリッチメニュー活用時に知っておきたいポイントを紹介します。
A/Bテストを実施して改善する
リッチメニューにおけるA/Bテストとは、画像や文章の異なるリッチメニューをいくつか用意して、ユーザーの反応を確かめることです。
リッチメニューは一度作ったら終わりではなく、常に改善する必要があります。どのリッチメニューならユーザーからの反応が良いのか確かめるためにも、A/Bテストを定期的に実施しましょう。
画像は細部にまでこだわる
リッチメニューは、LINE公式アカウントのトーク画面を開いたとき、真っ先に目に入る部分です。ユーザーの印象に残りやすい部分だからこそ、使用する画像は細部までこだわりましょう。
リッチメニューの画像一つで、企業や店舗に対するユーザーのイメージが変わります。印象に残りやすい画像を用意することで、ブランディングにも直結します。
ユーザー目線で構成を考える
効果的なリッチメニューを作るときは、デザインだけでなく構成も重視しましょう。
例えオシャレなデザインであっても、ユーザーにとって使いづらい部分があれば、リッチメニューをタップしてもらう可能性は低くなってしまいます。
問い合わせにつなげる部分では「問い合わせはこちらから」のように、ユーザーの取る行動を先読みしてリッチメニューを作ることがポイントです。
まとめ
今回は、LINE公式アカウントのリッチメニューについて解説しました。
LINE公式アカウントのリッチメニューは、企業や店舗が展開するサービスの販促に生かすことができます。導入事例もたくさんあるため、具体的な事例を確認しながら、どんなリッチメニューにするか検討してくださいね。
リッチメニューの効果を少しでも高めたいときは、効果的な設定方法やポイントを前もって知っておくことも重要です。今回紹介した内容を参考にして、リッチメニューの作成に挑戦してみてください。